つなブログ

日々の記録です

憧れのロシア 出国〜ウラジオストク編

成田空港

いよいよ出国ゲートを通過し、搭乗予定の飛行機を目の当たりにした。

ライム味の枝豆みたいな色だ。

機内

ガラ空きである。これは本当に国際線なのだろうか?しかも乗員は大体ロシア人だ。機内の雑誌は全頁ロシア語で書かれていて、海外の読者は写真から記事を想像するしかない。

青年がインタビューされているが、彼のストーリーが全く見えてこない。

しばらくすると、機内食が運ばれてきた。これほど言葉は通じなくても、ニワトリの絵は世界共通なのだ。

ところでウラジオストクは韓国の北東にあり、北海道と同じくらいの経度である。従って飛行時間は2〜3時間と短い。大阪から東海道新幹線で東京に行くよりも短い。サンドイッチを後で食べようと思っていたら、いきなり着陸態勢に入って焦った。心の準備がまだできていないし、シートベルト着用のサインをサンドイッチ食べるサインと勘違いした人みたいになってしまった。

ウラジオストク

現地時間で8時前にハバロフスク空港に到着した。乗り継ぎのため、翌日5時まで今夜はここに泊まることになるが……

予想以上に空港内に何もなくて度肝を抜かれた。本当に何もない。申し訳程度のコンビニやカフェがある位で、椅子は硬いし殺風景すぎる。あまりの何もなさに動揺したのか、見知らぬ日本人のおばさんに「トランジットで3時まで待たないといけないの」と話しかけられた。友人が売店で買ったチーズは匂い付き練り消しのような味がするし、散々である。

しかしそんなハバロフスク空港にも、ちょっとだけ面白いものがある。ダイドーの自販機だ。

ロシアに来てダイドーを目にするとは思わなかったので完全に意表を突かれた。

さあ明日は無事に起きれるのか?!(つづく)

憧れのロシア トラブル編

絶望

航空券はなるべく安く押さえたかったので、ロシアの航空会社であるS7 Airlineを使うことにした。この時Travel2be(Travelgenio)という謎の代理店でチケットを安く買ったのだが、これが悲劇の始まりであった。手配された航空券を見ると、私たちと同名のロシア人女性3名が記載されている。誰だお前は!私は即座にメールを送って電話をかけたのだが陽気なBGMが流れるだけで誰も出ず、受話器から人気を感じない。何回かけても陽気なBGMが流れてくるだけで、メールの返事はなく、脳裏には詐欺の二文字が浮かんだ。

結局S7に連絡して修正して貰い、チケットもちゃんと最発行されたので安心したのもつかの間、新たな絶望が我々を襲った。猛烈な台風が関空を直撃して滑走路は浸水、連絡橋は大破して闇に包まれたのだ。S7のサポート曰く出発する空港は変えられないとの事で、代替策として稚内から格安フェリーでウラジオストクに渡ろうと企んだ。これで安心!翌日、北海道が前代未聞の大地震に襲われ、全道が停電する悲劇に襲われた。私はこの時点で、「闇の機関が私の出国を妨害している」説を確信し、映画トゥルーマン・ショーの主人公(地元を離れようとすると全員が妨害してくる)に深く共感したのであった。

希望

変化が訪れた。あのTravel2beが、約3週の時を経て私のメールに返信してきたのだ。今更チケットの修正は不要なので丁重に無視したが、思い返せば変化の兆しであった。なんと数日後、S7が出発空港を変更してくれたのだ!これで後は出発するだけである。浮かれてつい一眼レフを買ってしまった。

出国とあんみつ

成田発の便に乗るので、前日に観光を兼ねて東京を訪問した。しかし、昨年東京のメジャーな観光スポットは見尽くしたので、正直見たいところがない。強いて言うなら「みはし」のあんみつが食べたかったので、中野本店を訪れた。

感動した。フルーツクリームあんみつという只でさえ豪華なあんみつに、白玉を増したのだ。口の中に広がる甘味にうろたえ、ロシアの前にこんな思いをして良いものかと自責の念に駆られた。(つづく)

憧れのロシア 準備編

この度ロシアに行くことになったので、旅立つ前に記録を示しておこうと思う。

ロシアのここが良い

ロシアの魅力を語る上で、キリル文字の格好良さは見逃せない。私のお気に入りの文字はЖとЯである。Жは地球外生命体が開発したガジェットに描かれていそうだし、Яはトイザらスのロゴみたいでワクワクする。бやф、Гは偏微分方程式に出てきそうな良さがあり、Юは手違いで韓国語が混入した感じがある。

これだけで充分素敵だが、まだまだ格好良い要素が目白押しだ。かつてツァーリを務めたイヴァン4世は雷帝と呼ばれている。雷帝、英語だとライトニング・エンペラーで間違いなく強キャラだ。三又の槍を片手に電撃属性の攻撃を放ってくる様子が簡単に想像できる。そんな雷帝だが、この記事を書くにあたり驚愕の事実が判明した。英語圏での通り名は「Ivan the terrible」らしいのだ。terribleと言われても全然雷属性を想起させないし、ただの性格の悪いオッサンみたいになってしまった。

ロシアの魅力はまだまだあるが、それはこのくらいにして私がいかにして旅の切符を手に入れたかを記そうと思う。

計画

ロシアいくぞ!と決心したものの、折角なら数人で行きたい。ロシアの興奮を伝える相手がいた方がいいからだ。しかし、友人に「ロシア行かん?」と聞いても中々OKは出ない。これが「ケニア行かん?」なら易々と承諾を得て京大付近の定食屋「ケニア」に行くことになったかもしれないが、ロシアは別格である。一人旅も辞さないつもりであったが、なんとか2人捕まえることが出来た。彼らと3回に渡るサイゼリア国際会議で計画を練った結果、サンクトペテルブルクバルト三国ポーランド の順で巡ることが確定した。あれだけロシア推しだったのにロシアは旅の20%である。しかし私にとってはバルト三国もロシア同様よく分からないし、ポーランドは良く分割されているイメージしか無いので未知なのだ。

ロシアは入国ビザの取得が面倒くさい。まずホテルや旅券を押さえてバウチャーを貰い、その上でビザを申請する必要がある。アメリカのビザはオンラインで滞在先やtwitterのIDを書くだけで済むのだが、それと比べてロシアは大変だ。今回は代行業者に頼んでビザを発行してもらうことにした。

しおり

気分が高揚して、旅のしおりを作ってしまった。 小学校の遠足でロシアに行ったなら、という設定である。

これで後は旅立つだけ ───と思われたが、度重なる不運に見舞われることになる(つづく)